香港在住もぐりのコンサルタント・工藤をある日、美しい女・麗子が訪ねる。「5億円を日本から海外に送金し、損金として処理して欲しい」彼女の要求は、脱税の指南だった。4ヵ月後、麗子は消えた。5億ではなく50億の金とともに。すぐに工藤は東京へ。麗子と50億の金はどこへ?マネーを知り尽くした著者による驚天動地の金融情報小説!
何が一番おどろいたかというと、元大阪国税局総務課長の玉木雄一郎が解説をしているところです。その国税局総務課長が太鼓判を押すほど専門知識には間違いがなく、脱税、株式などの手法に関して著者が精通していることをうかがわせます。
ノンフィクション小説なのですが、実際に行っているオフショア投資に関するスキームはリアリティがあり(スケールが大きすぎてついていけない面もありますが)、法律の隙間をついたものであることがわかります。
この本の中で工藤が幾つか解説しているスキームはきっと膨大なお金がとれるコンサルタントなんだろうなと思ってしまいました。私のような安月給のサラリーマンではあまり問題とは感じませんが、数千万単位になってくると、やはりなんとか節税したいものです。その具体的な節税(脱税?)方法が事細かに書かれています。物語の中でも銀行役員やコンサルタントが工藤の説明に顔を青くしているシーンがありました。この物語の内容を実践すれば50億も夢ではないかも知れません。しかし、またそれを実践する気にはさせてくれない結末となっています。
それにしても著者は香港について詳しいですね。
さらに金融界の全てを知っているかのような知識を持ち合わせています。
ここまでの知識を身に付けるにはどうしたらいいのでしょうか。
普通の本にはかいてあるのでしょうか。うむむ。
勉強あるのみです。